レアモンデ砦 (2)

レアモンデ砦 − [戦いと憩いの広場]
  アシュレイ:市街地 南部 へ続く扉を開けようとする
扉の向こう側からローゼンクランツとギルデンスターン登場
1-24
ギルデンスターン シドニーがこのエージェントに
何をさせたがっていたのか
確かめたかったが――
 
  見られた以上、これまでだ。
ローゼンクランツ。
貴様が始末するんだ。
 
  “魔を無力化する”という
貴様の能力を
ヤツに見せてやれ!
 
ローゼンクランツ わかっているよ。  
  ギルデンスターン:扉の向こうへ消える
ローゼンクランツ:準備体操もどきをしながら
 
ローゼンクランツ …アンタとこうやって
戦うハメになるとはな。
 
  ずーっと戦ってみたいと
思っていたンだ。
 
アシュレイ どういう意味だ?  
ローゼンクランツ オレは昔からアンタを
知っているンだ。
 
アシュレイ !!  
ローゼンクランツ アンタがVKPの犬になった
きっかけを作ったのはこのオレさ。
 
  そして、オレがこうなったのは
アンタのせいなンだぜ。
 
アシュレイ なに?  
ローゼンクランツ 思い出させてやるよ。
真実をなッ!!
 
  【ローゼンクランツと戦闘】  
  【倒す=戦闘終了】  
ローゼンクランツ くそッ!! SE
ローゼンクランツ …記憶を失っても
身体に染み込ンだ殺人技の冴えは
一向に衰えていないってわけか。
 
アシュレイ 殺人技だと、何のことだ?  
ローゼンクランツ 本当に覚えていないンだな。
VKPの洗脳も大したもンだ…。
 
ローゼンクランツ アンタとオレは
同じチームだったンだぜ!
 
アシュレイ 同じチーム?  
  近衛騎士団の頃を
言っているのか?
 
ローゼンクランツ 近衛騎士団だって?  
  ローゼンクランツ:座り込み  
ローゼンクランツ …それもニセの記憶さ。  
  あの夏の日……  
ローゼンクランツ あの夏の日、
オレもあそこにいたンだぜ。
 

 
  過去のピクニック風景、しかしアシュレイの足元には母親の死体が横たわり、剣は血に濡れている 1-23
  ローゼンクランツ:父親と子供の死体を検分し  
ローゼンクランツ さすがだぜ、リーダー。
どっちも心臓を一発だ。
 
  アシュレイ:無言  
ローゼンクランツ …気にするなよ。  
  アシュレイ:子供の死体の前にひざまづく  
ローゼンクランツ こいつらは運が悪かったンだ。  
ローゼンクランツ 作戦の目撃者はすべて
“処理”しなければならない。
それがルールだ。
 
  こんなところに
ピクニックに来たのが
いけないのさ。
 
ローゼンクランツ アンタは正しいンだ。
そうさ、オレたちは
正しいのさ。
 
  国のためだ。
多少の犠牲もしかたねぇ。
 
  アシュレイ:ローゼンクランツに向かい  
アシュレイ 多少の犠牲だと?  
  アシュレイ:立ち上がり  
アシュレイ いったいオレたちは何のために
この人たちを殺さなければ
ならないっていうんだ!
 
  この人たちに
何の罪があると?
 
アシュレイ こういった家族を
守るためにオレたちが
いるんじゃないのか!?
 
  アシュレイ:持っていた剣を投げ棄てる  
  アシュレイ:膝をつく  
ローゼンクランツ どうしたっていうンだ?  
ローゼンクランツ まるで牧師の
戯言のようだぜ?
 
  アシュレイの視界がぶれ、斜める  
ローゼンクランツ おいッ、どうしたンだ!  
  しっかり、しっかりしろ!!  

 
  レアモンデ砦の現実世界
アシュレイ:膝をつき頭を垂れたまま
ローゼンクランツ:壁に身をよりかからせ立っている
 
ローゼンクランツ 今でこそリスクブレイカーは
“法の番人”だが以前は違った…。
 
ローゼンクランツ 正義の味方には違いないが、
国益を守るためなら何でもやる
極秘任務専門のチームだったのさ。
 
  ときには議会に逆らう反体制派の
幹部の暗殺、敵国内の革命軍に武器を
供与したこともあったな。
 
ローゼンクランツ 格好よくいえば“法と秩序を護る聖戦士たち”
ってとこだが、ようは議会のゴミ処理係さ。
 
  アシュレイ:頭をもたげローゼンクランツの方に顔を向ける  
ローゼンクランツ アンタは有能な指揮官であり戦士だった。
だが正義感が強すぎたンだ。
 
  そんなアンタの引退を惜しンだ
VKPがアンタを拾ったってわけだ。
 
アシュレイ おまえは?  
ローゼンクランツ オレかい?  
ローゼンクランツ アンタ同様、VKPに
拾われたンだがね。
 
  メレンカンプの内偵調査に
関わったときに、この
レアモンデのことを知ってな。
 
  仲間になったのさ。  
  アシュレイ:立ち上がり  
アシュレイ 法王庁か。
それともメレンカンプか?
 
ローゼンクランツ 両方さ。  
ローゼンクランツ アンタだけじゃない。
あのチームは本当に地獄だった。
 
  おどし、盗み、殺し、
そのヘンにいる
ゴロツキどもとかわらねぇ。
 
  ようは、相手が
人か国かの違いだ。
 
ローゼンクランツ アンタは忘れようとした。
他のやつらもそうだ。
 
  気がヘンになったヤツもいたし、
自殺したヤツもいた。
 
  だがな、オレは違う。
利用し、のし上がってやる。
 
ローゼンクランツ 知っているだろ?  
  この世界は
一部の特権階級が支配している。
 
  生まれながらに
特権を持ったやつら、
 
  もしくは他人を踏み台にして
財をなした資本家どもだ。
 
  ローゼンクランツ:拳を握り  
ローゼンクランツ オレたちをゲームの駒のように
扱ったヤツラに復讐してやるのさ。
 
  そうさ、そのために
今のオレに必要なのは――
 
アシュレイ レアモンデか。  
  ローゼンクランツ:頷く  
アシュレイ 聖印騎士団もVKPも
狙いはこのレアモンデの力か。
 
ローゼンクランツ そうさ。
そして、その鍵を握るのは
シドニーただひとり。
 
  …シドニーがいったい何を企ンで
アンタに“魔”を感染させて
いるのかわからンが――
 
  どっちにしても
アイツも終わりだ。
 
アシュレイ 聖印騎士団に手を
汚させるつもりか。
 
ローゼンクランツ 宗教家なンてハナから
汚れてるもンさ。
 
  地鳴り  
  アシュレイが気をとられた隙に、ローゼンクランツは扉前まで移動していた  
ローゼンクランツ 次はこうはいかないぜ。  
アシュレイ 負け惜しみだな、
ローゼンクランツ。
 
ローゼンクランツ なンとでも言えッ!  
  ローゼンクランツ:扉を向こうに消える  
アシュレイ 人は自分に都合のいい嘘をつく…。
自分自身を救うために……か。