(セーブをはさんで引き続き) | ||
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ベスラ要塞 | 70/2-02 | |
ゴルターナ陣営会議風景 | ||
ボルミナ男爵 「死亡者は昨日までに約2万、 両軍を合わせると倍の約4万…。 「負傷者はわが軍だけでも 軽く20万は超えます。 |
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エルムドア侯爵 「問題は死傷者だけではない。 「兵糧の蓄えもあとわずかに なってきたが、これは計画どおり。 厄介なのは今期の干ばつだ。 「兵糧を買い付けようにも、モノがない 有り様で、税収の大幅減とあわせて 通年の半分以下しか備蓄できん。 |
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ブランシュ子爵 「それについてはラーグ公も 同じであろう。 「あちらはこの収穫時期に長雨が 続いたおかげで、刈り取る前に 穂が腐ってしまったそうだ。 |
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オルランドゥ伯 「むしろ問題なのは、この戦乱によって 職や住む処を奪われた民だろう。 「オーランの調べによると 王都ルザリアにはすでに10万人を 超える難民が流入しているとか。 |
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ブランシュ子爵 「ハハハッ、それはよい。ラーグ公側も 食料の買い付けに苦労するだろうよ。 |
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オルランドゥ伯 「笑いごとではないぞ! 戦線が拡大すれば我々とて同じ。 「大量の難民がいつこちら側に 流れ込んできてもおかしくないのだ! 「…やはり、そろそろ、 和平工作を始めるべきでは ないだろうか…? |
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ゴルターナ公 「貴公らの心配はもっともだ。だが、 この戦いをやめるわけにはいかぬ。 「通年より3割ほど増税しよう。 また、穀物などを高値で売買する輩が 出ぬよう監視を厳しくするのだ。 「また、難民についても同様だ。 ランベリーの境界を越えぬよう 監視をより一層厳しくしようぞ。 |
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オルランドゥ伯 「苦しいのはラーグ公も一緒。 今なら和平的解決もできましょう。 |
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ゴルターナ公 「くどいぞ、オルランドゥ。 和平的解決などありえん話だ。 |
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オルランドゥ伯:椅子から立ち上がり | ||
オルランドゥ伯 「民あっての国家! 民あっての我々なのです。 「五十年戦争でもっとも苦しんだのは 民百姓ではございませんか! これ以上の増税はいかがでしょう。 「民だけではございません。 前線で戦っている兵たちは 満足な食事にありつけない有り様。 「これ以上、戦いを維持し続けるのは 物理的にも精神的にも不可能です。 |
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ゴルターナ公 「精神的にだと? 貴公とも あろう者が臆病風に吹かれたか? |
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オルランドゥ伯 「五十年戦争では鴎国の侵略から祖国を 守るという大義がございました! |
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ゴルターナ公 「この戦いにはそれがないと申すかッ? 「いつから貴公はそのような“偽善”を 口にするようになったのだ? 「甘くすればつけあがるのが奴らだ。 我々が戦っているのは 民のためでもある! 「これ以上、腐った王家の行いによって 民に迷惑をかけぬためにもこの戦いを やめるわけにはいかんのだ! |
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ブランシュ子爵 「閣下のおっしゃるとおりですぞ。 あとわずかではございませんか! 「“雷神シド”とまで称えられた オルランドゥ伯のおっしゃることとは 思えませんな、まったく。 |
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オルランドゥ伯 「あとわずかだと? 何を見てそう申すのだ? 「この状況のどこを見てそのように 楽観的になれるのだ? 貴公の目は節穴ではないのか! |
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ブランシュ子爵:激しく椅子から立ち上がり | ||
ブランシュ子爵 「そ、それは暴言でございましょう!! |
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ゴルターナ公 「もう、よい、やめよ! 「見損なったぞ、オルランドゥ。 これ以上の暴言は 貴公の身を危うくするぞ! |
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ブランシュ子爵、オルランドゥ伯:着席 | ||
オルランドゥ伯 「…………。 |
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ゴルターナ公 「よいか、二度とは言わぬ。 「これ以上、わしの方針に 不服があるならば早々にここを 立ち去るがいい! 「よいな、オルランドゥ!! |
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偽らざる者 CHAPTER 3 THE VALIANT |
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ディリータは僕に言った。 “大きな流れがあり、 それに逆らっている”と…。 この戦乱の世が避けようのない 運命のような “大きな流れ”だとしたら、 僕はその流れに 逆らうことができるのだろうか? 僕は兄ザルバッグに 戦乱を影で操る者がいることを 告げるため 王都ルザリアを目指していた…。 |