羽虫の森 (3)

羽虫の森 − [大自然の支配に挑んだ広場]
  シドニーとグリッソムが対峙している
グリッソム:全身より流血、立っているのがやっとの状態
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シドニー やめろ、貴様には無理だ。  
グリッソム 私にも…召喚は可能なはず。
あなただけの能力ではないのですよ!!
 
グリッソム エルケス・サルマ・ロン・サモータ。
ディアラス・フル・ゲンド・ゲルダモーダ。
 
  シドニー:一歩踏みだし  
シドニー 力不足だと言っている!  
  グリッソム:召喚の詠唱を続ける  
グリッソム 太古に眠りし邪悪なる闇の騎士よ、
血塗られた五芒の輝きをその身体に刻み…
 
  グリッソム:召喚の魔法陣が消え、吐血する  
グリッソム ば、ばかな……。  
  グリッソム:うつぶせに倒れ伏す  
シドニー 非力なのだよ。
あの程度の魔力で“魔”を
支配できるはずもない…。
 
  限界を超えた魔法など
使えるものか。
 
  シドニー:離れたところに立っていたアシュレイにゆっくり顔を向け  
シドニー “魔”に喰われてしまったのだ。  
グリッソム ……侮らないで欲しい…
…ものですね。
 
  シドニー:素早く振り返る
グリッソム:片膝をついて
 
グリッソム …太古に眠りし邪悪なる闇の…騎士よ、
血塗られた……五芒の輝きを…その身体に刻み
我が血肉を以てしもべとして導かん…。
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  ゾルダ・ナザム・ソン・メダーダ!  
  グリッソム:ダーククルセイダー召喚
グリッソム:立ち上がる
 
  グリッソム:自分の両手を見て 1-09
グリッソム 不思議ですね……。
身体中に“力”が
みなぎっていますよ……。
 
  グリッソム:アシュレイに視線を移し  
  兄の仇を討たせて
もらいましょうか。
 
  【グリッソム・ダーククルセイダーと戦闘】
(シドニーも戦闘に参加)
 
  シドニーを先に倒した場合  
シドニー 裏目に出たか!  
  シドニー:消える  
  グリッソムを倒す  
グリッソム ……か、……神よ。  
  グリッソム:激しく吐血し、倒れる  
  【グリッソム・ダーククルセイダーを倒す=戦闘終了】 2-20
  シドニー:アシュレイの側を通りすぎ振り返って SE
シドニー ふむ……、
嫌なにおいがする。
何のにおいだ?
 
  ローゼンクランツと
会ったのか?
 
アシュレイ レアモンデは“魔”を手に入れる
ための“牧場”だと聞いた。
 
  シドニー:うつむき、しばし沈黙
シドニー:再びアシュレイに顔を向けて
 
シドニー どう思う?  
  アシュレイ:グリッソムの死体を見ながら  
アシュレイ これだけ不可思議なものを
見せられたんだ。
 
シドニー “魔”の存在だけは
信じるということか。
 
  つまり、目に見えないものは
信じないということだな。
 
  頭の堅いお役人だぜ。  
  アシュレイ:シドニーを見据え  
アシュレイ 根拠がない。  
  街を崩壊させるほどの地震を
人為的に起こせるとでも?
 
  何千人もの住民の命を犠牲にして、
こんな“牧場”を作ったのが
議会や法王庁だと言うのか?
 
シドニー 聞いてみればいい。  
アシュレイ 聞く?  
  シドニー:右手を水平に動かし  
シドニー 犠牲になった“証人”にさ。  
  アシュレイ:意味がわからないといった表情  
  シドニー:アシュレイに背を向け  
シドニー すばらしい成長ぶりだ。
さすがは危険請負人…、
 
  いや、暗殺者として
鍛えられた結果か。
 
アシュレイ …何のことだ。  
  シドニー:振り返り、両手を広げ  
シドニー 思い出せ、ライオット。  
  シドニー:右手をアシュレイの前に突き出す  

 
  以前見せられたピクニック風景
親子三人から離れた場所にアシュレイは立っている
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  アシュレイ:顔をそむける  
アシュレイ …お願いだ、やめてくれ。  
  シドニー:アシュレイの隣に立っている  
シドニー 逃げるな、ライオット。
自分の目で確かめろ。
 
  親子の会話  
マーゴ パパ、お水が飲みたい。  
アシュレイ(父親) マーゴ、おまえも
ワインを飲むか?
 
ティア ちょっと待っててね。
今、お水を汲んでくるわ。
 
  ティア:立ち上がる  
  ティアとアシュレイ(父親):軽く接吻  
ティア マーゴにワインなんか
飲ませないでね。
 
  ティア:その場を離れる
マーゴ:アシュレイ(父親)の脇に座る
 
アシュレイ(父親) ワインは美味しいぞ。  
マーゴ ホント?  
  マーゴ:ふと視線を父親の後方の母親へ移す
アシュレイ(父親):つられて振り返る
 
  ティア:野盗に襲われ斬られる  
  ティアを斬った野盗はアシュレイ自身の姿  
  アシュレイ:野盗(自分自身)の隣に立っている  
アシュレイ これは!?  
シドニー これが“真実”だ。  
  シドニー:少し離れた場所から父子の死体をも示す  
アシュレイ ばかなッ!!
まやかしだ!!
 
シドニー 疑うのか?
このオレを?
 
  シドニー:アシュレイの背後に立っている  
シドニー おまえの記憶は偽りだ。  
  VKPによって後から刷り込まれた
ニセの記憶なのだ。
 
  アシュレイ:片膝をつき  
アシュレイ 嘘だーッ!!  

 
  アシュレイ:片膝をつき、激しく動揺している 1-23
アシュレイ 嘘だ…。  
シドニー 近衛騎士団のエリートだったおまえは、
妻子を失ったことをきっかけに
VKPのリスクブレイカーとなった……。
 
  しかし、それは偽りの記憶だ!  
  暗殺や破壊工作を任務とする特殊部隊の
一員だったおまえは、とある作戦で
ターゲットと異なる家族を殺害してしまった…。
 
  国家や正義という大義のもとであれば
いとも簡単に生命を奪えるおまえが
罪のない善良な一家を死に追いやったのだ。
 
  アシュレイ:かぶりを振り、顔を上げ  
アシュレイ バカな!  
  シドニー:人差し指で頭を指しながら  
シドニー VKPはおまえの罪悪感を
法に対する服従へと変えるために
人格変更、つまり“洗脳”を行った……。
 
シドニー 妻子を失った悲しみは
犯罪に対する怒りとなる。
 
  それがおまえの行動原理だが、
その怒りはおまえ自身に
向けられるべきものなのだ。
 
アシュレイ 嘘だッ!  
シドニー 嘘なものか。  
  おまえがふるう技の数々こそが
その確かな証拠ではないか?
 
  特殊部隊で取得した“殺人技”は
レアモンデの秘術ではないぞ。
 
アシュレイ やめろーーーーッ!!  
  アシュレイ:シドニーに殴りかかる
シドニー:姿を消す
アシュレイ:拳は空をきり、そのまま前のめりに倒れる
 
  シドニー:アシュレイの後方に姿を現し  
シドニー たしかな記憶などあるものか。  
  人は自分に都合の悪い記憶
なんて忘れるものだ。
 
シドニー 自分の都合に合わせて
記憶を作り替える…。
 
  自分自身に“嘘”をつくのさ。  
  アシュレイ:うつぶせに倒れた姿勢から片膝をついた姿勢に動く  
  たしかにVKPの洗脳が
あったかもしれない。
 
  しかし、それは貴様自身が
望んだことなのだ。
 
  罪悪感から逃れるためにな。  
アシュレイ 何が目的だ、シドニー。
オレに何をさせたいんだ…?
 
  アシュレイ:拳で地を殴る  
シドニー 真実を知って欲しいのさ。
真実をな…。
 
  アシュレイ:上半身を上げ、正面を見据え  
アシュレイ …信じられるものか!  
  シドニー:アシュレイの脇を通りその先へ歩を進めながら  
シドニー いや、すでにおまえは信じ始めている。
そうだろ、ライオット?
 
  この魔都で多くのモンスターをその目で見、
亡者どもの叫びをその耳で聞いたはずだ。
 
  あれを否定するのか?
幻影だとでも?
 
  おまえ自身があの女の目を通して
見たものは何だ?
 
アシュレイ …貴様は過去が
見えるとでもいうのか。
 
シドニー 違うな。
“聞く”のさ。
 
  アシュレイ:顔を上げ  
アシュレイ …聞く?  
  シドニー:歩みを止めず先へ進む  
  アシュレイ:立ち上がり  
アシュレイ 待て、シドニー!!  
シドニー 真実を知りたければ
オレを追ってこい、
アシュレイ・ライオット。
 
  シドニー:そのまま姿を消す